障がいを持つ方の雇用や子どもの自由研究の場にも
ビルの”屋上”からSDGsを届ける「AGRIKO FARM」
AGRIKO FARM / 株式会社AGRIKO
受賞理由
養殖×水耕栽培のシステムを合わせ持つ「アクアポニックス栽培」を採用した“循環型農福連携ファーム「AGRIKO FARM」。“ビル産ビル消”の循環型屋上ファームを設置し、SDGs目標に対してフルコミットをしている活動は、高い評価を集めました。
“ビル産ビル消”の循環型ファーム
株式会社AGRIKOの設立には、俳優業の傍ら高齢化と農地の荒廃が進む新潟県にある棚田の維持に関わってきたところ、2021年に家族が体調を崩して続けられなくなったという担当者の背景があります。持続可能な農業を目指して株式会社AGRIKOを起業しました。ビルの屋上に作ったAGRIKO FARMでは、SDGsの17項目にフルコミットする“循環型農福連携ファーム”による社会課題解決支援などに取り組んでいます。
水産養殖(アクアカルチャー)と水耕栽培(ハイドロポニックス)を掛け合わせた「アクアポニックス農法」を放棄竹林による竹害でお困りの地域の竹を活用して設計し、独自の環境配慮型アクアポニックスを実施しています。
ファームでは企業の障がい者雇用の障がいを持つ方が作業を、子育て経験を持つ世代の女性にそのサポートをお願いしており、障がい者の方の農園に通う継続率、出勤率が高く、子育て世代の女性の社会的居場所づくりや働きがいにもつながっています。
週末にはファミリーデイを設けてファームを開放し、家族にも職場環境を理解してもらったり、夏休みには子どもたちを対象としたSDGs教育や自由研究のサポートを行う取り組みを行ったりもしています。
ワークショップやパラアート支援にも挑戦
サステナブルな食のあり方を大切にしており、ファームの収穫物をビル内のレストランで提供する「ビル産ビル消」で、安心安全でおいしい食材を提供しているほか、容器や包装紙から運搬時に発生する温室効果ガスの削減にも貢献しているのだとか。ファームで作ったハーブを利用したレモンシロップも大好評。
企業とコラボレーションしたSDGsに関するワークショップの開催、農業やサステナブルに関わる展示やVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)、絵が上手な障がい者の方が描いた作品で企業様の商品やノベルティを制作するパラアート支援など、ファームを起点として活動の幅を広げています。
これからも子育て世代のお母さまや、働きたいと思っている障がい者の皆さんと一緒に歩んでいきたいと語ってくれました。
HERSTORY REVIEW vol.79 掲載